中古戸建の弱点 逆手に取り急成長。買取再販事業のリスクは瑕疵保険でヘッジ

サービス導入事例

リアルティ株式会社は神奈川郊外エリアを中心に、戸建に絞った買取再販事業で急成長する総合不動産会社です。年間100棟超の規模に事業を育て更なる成長を目指す、代表取締役の山下 智弘氏にお話を伺いました。

課 題
  • 中古住宅は新築に比べて瑕疵保険期間が短い
  • 住宅仕入れ時にフラット35を利用できる物件かを確かめたい
解 決 策
  • 瑕疵保険にオプションをプラスして保証内容を拡充
  • フラット35の適合性診断を導入
効 果
  • 保証が充実した中古戸建というブランドを確立
  • 住宅ローン利用層を最大化し販売機会損失を防止
不動産事業全般を手掛けるなか戸建買取再販が好調です

山下さん 資本金100万円を握りしめて起業し、10期目を迎えました。中古戸建再生販売(戸建買取再販)は、売買仲介の集客のきっかけにと2期目から開始し、今では年間実績100棟を超える当社グループの中核事業へと成長しました。

当社の主エリアとなる神奈川は、土地から注文住宅を建てるにはコストが高すぎ、建売は狭く似たデザインばかり。中古戸建にリノベーションでデザインをプラスすることで、戸建検討層のニーズに合致したと思っています。

中古戸建再生販売の特徴を改めてお伺いできますか

山下さん まず新築に比べプロジェクトのリードタイムが違います。建売は仕入~販売まで1年近い時間をかけますが、中古住宅再生販売なら3ヶ月程まで短縮できる。銀行からの借入期間も短く、経営リスクが少ないという評価をしています。

スピードと工事費は利益率に大きく関わります。設計部署を社内に立ち上げ分社化し、施工会社をグループ化するなど基盤を整備してきました。
また、施工は常に10社ほどで相見積を取り、タイミングと金額を重視して決定しています。他にも資材仕入れは当社で行うなど、グループ全体で最大のシナジーを発揮できる事業スキームになっています。私自身前職の大手不動産会社で売買仲介の現場とマネジメントを両方経験したことが、多いに役立っています。

山下 智弘 代表取締役

山下 智弘 代表取締役

中古戸建再生販売は、中古マンションに比べ仕入れが難しいイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか

山下さん 確かに中古マンションの仕入れは、高度なノウハウを必要とせず参入障壁が低い。ですが競合が乱立しています。それに比べると中古戸建の競合は1/10になるため、私はメリットしかないと考えています。
ただ、中古戸建なら何でも仕入れるわけではなく、社内基準を満たし採算がとれるものに厳選します。昨年度は8,000棟超を仕入候補として検討しましたが、販売まで至ったのは110棟ほどです。

中古の戸建住宅は、工事にとりかからないと躯体の状態がわからないなどで忌避される面があると思います

山下さん そこは逆転の発想ですね。当社では「物件には雨漏りや傾きがある」という前提で事業スキームを構築しており、実際、仕入物件の30~50%に雨漏りがあります。
ですから事業のリスクヘッジとして、ハウスジーメンの「既存住宅かし保険」は欠かせない存在です。

後編はこちらから

買取再販事業は、事業回転スピードが命
「売れる」商品企画と資金調達がポイント

経営者インタビュー(後半)|リアルティ株式会社
戸建の買取再販事業は難しいと言われるなかで、年間100棟を超える規模へと成長され、素晴らしいですね。経営 …続きを読む