株式会社 NEXT STAGEは、木造の品質監査ソリューション業を行うパイオニアで、ハウスジーメン取次店として住宅瑕疵保険などの取次も行っています。小村 直克 代表取締役社長と中村 恵治 取締役、ソリューション部の小村 龍之介 部長に、事業の強みや業界課題についてお話を伺いました。
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瑕疵保険の取次で、シナジーを高める
2009年にハウスジーメン取次店に参画いただき、瑕疵保険などを取次いただいていますが、いかがですか
中村さん 当社とハウスジーメンは相性がとても良いと感じます。ハウスジーメンは「瑕疵保険は保険の付保を目的としており、品質を担保するものではない」と言っておられるので、ビルダーに対して当社の品質監査との違いも説明しやすく、瑕疵保険を活用しながら本質的な品質管理をご提案できています。

中村 恵治取締役(株式会社 NEXT STAGE)
小村(直)さん ハウスジーメンは、あくまで自社の得意分野を深掘りして、他企業とのアライアンスによって互いをリカバリーすれば良いという考え方。経営スタンスが当社と近いと感じますね。
ありがとうございます。最近では、瑕疵保険のリモート検査にて、独自のスキームを進めていただいていますね。
小村(龍)さん ハウスジーメンの検査員との応対は、通常ビルダーの現場監督が行われますが、それを当社の監査士が担うというものです。
品質監査と瑕疵検査のタイミングを合わせることで、当社も手間が増えることなく、ビルダーのコスト負担を軽減できます。現在、品質監査のデータベース「クオリツ」と、MSJグループの「助っ人クラウド」の連携も進めており、ビルダーへの付加価値をますます高めていきたいと考えています。
貴社には、取次店として高い実績も上げていただき、ありがたい限りです
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高まる品質管理ニーズを追い風に
住宅業界の変化を感じるところはありますか
中村さん 省エネ義務化が施行され、住宅にも高い性能が求められるようになりましたが、中には施工品質に不具合があるケースが一定隠れているのではないかと、私は考えています。
今後それが発覚した時、クレームだけつぶせば良いと考えるのか、本気で施工体制を改善していかないといけないと覚悟をするのか、ビルダーの意識は分かれるでしょう。品質監査を担う第三者として、業界の意識を高め、消費者にも伝えていく使命があると考えています。
小村(龍)さん SNSなどによる情報過多が進み、消費者がビルダーを選ぶ決め手が変わってきていますね。

小村 龍之介 ソリューション部長(株式会社 NEXT STAGE)
以前は安い土地と気に入ったプランがあれば、ビルダーを性善説でとらえて契約される消費者が多かったように思いますが、現在は住宅性能や品質、アフターフォローなど、あらゆる面で万全なリスクヘッジを望まれる方が増えているのかなと。
ここ数年で大手ハウスメーカーやパワービルダーからのご相談も増えており、その裏にはこうした消費者意識の変化があると感じています。
小村(直)さん 私は、ビッグモーター事件を機に、潮目が変わってきたように感じますね。消費者のなかで検査が可視化されない不安が大きくなり、施工品質に対するニーズも顕著に高まっています。最近は消費者からの、トラブル相談として直接連絡をいただくことも増えてきました。
まさに時代が貴社に追いついてきたということなのでしょうね
小村(直)さん そうかもしれませんね。ビルダー経営の舵取りは年々難しくなっており、私は住宅の工事請負業そのものが限界に近付いているのではないかなと思っています。
求められるものがどんどん高度化していますから、構造計算、施工管理、アフターなどの機能別に専門業者が担う形がいいように思います。住宅事業のアンバンドル化が必要なのではないでしょうか。
品質管理へのコミット貫き、消費者保護へ
今後の展望を教えてください
小村(直)さん アンバンドルの話とつながりますが、どこにも負けない強みを、焦らずに深掘りしていきたいですね。
「これはやらない」と決めているのは、保険や保証といった金融。第三者監査と保証をダブルで提供してしまうと、マッチポンプになってしまう。それこそMSJグループと提携することで良いわけです。
また、あくまでビルダー向けのB to Bビジネスのスタンスは変えません。消費者・ビルダー・当社の三者が皆ハッピーを目指すことが、結果的に消費者保護につながっていくと信じているからです。そのうえで新しく3つの分野に力を入れていきたいと考えています。

(右から)小村 直克 代表取締役社長、中村 恵治 取締役、ソリューション部の小村 龍之介 部長
具体的にはどんな分野なのでしょうか
小村(直)さん 一つ目は、リフォーム向けの施工品質サービスの拡充。もともと当社では、リフォーム業界のプロ向け施工手引書の監修をするなど、ノウハウがあります。これを活かして、正しい施工手順をナビゲーションしながら職人の施工プロセスを可視化できるサービスを、このたびリリースしました。
二つ目は、品質監査を分析するアナリティクスサービスのバージョンアップ。AIを使って、監査ビッグデータを、再発防止ナビゲーションに活用していきます。
三つ目は、ビルダーごとの個別事情をふまえた、教育プログラムサービスの強化です。監査結果を解析していくと、ミスの多い職人、ミスの傾向などが見えてくる。それに応じてeラーニングを受講いただき、習熟度も管理できるようにしていきます。やはり、末端で作業する職人の技術レベルを底上げしなければ、業界の品質管理の問題は解決しないと考えています。
これからの事業展開を楽しみにしております。貴重なお話をありがとうございました
会社情報
社名 | 株式会社 NEXT STAGE( ウェブサイト ) |
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所在地 | 大阪府大阪市 |
創業 | 2006年8月 | 従業員数 | 役員9名/従業員67名 |
事業内容 | 住宅製造ソリューション事業 |